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シャコンヌホーム 「ピアニッシモ」-シャコンヌのこえ-
  技術を公開する理由

 

シャコンヌでは,長年にわたるオールド・ヴァイオリンの研究により、これまで謎とされてきたストラディヴァリの構造とニスについて明確な解答を得ることができたと考えています。当社にて修復されたストラドやガルネリの豊かな音、これらの名器に匹敵する新作“chaconne”の音などが、この製作理論の正しさを証明しています。

この理論は、オールド・イタリーに限らず、全ての弦楽器の音調整に応用することが出来るため、シャコンヌのビジネス上のいわば“有力な武器”になっているのですが、私たちはこの技術を、企業秘密にすることなく、展示会、講演、ホームページなどを通じて積極的に公開しています。

ではなぜシャコンヌは、苦心して得た技術を公開するのか。それは、この技術が単に楽器の音を良くするだけにとどまらず、弦楽器を中心とするクラシック音楽全体を、真に魅力あるもの、人の心に直接届いて感動を誘う本来の姿に立ち返らせることができる力のある、貴重な種子だと思うからです。

また、この技術は体得することが非常に難しいものです。頭で理解することができたとしても、それを実際の物として作り上げることの間には、高いハードルがあります。納得できるものを作り上げるまでに何度失敗し、やり直したかわからない程です。

ストラディヴァリを中心とするオールド・イタリー・ヴァイオリンの製作理論は、1800年代にはすでに失われつつあり、現代ではほぼ忘れ去られていると考えられます。

それが“ストラディヴァリの秘密”として多くの研究者の研究対象になっていますが、ストラド自身は、秘密にして名誉や利益を独占しようというような考えは全くなかったのではないかと想像します。なぜならば、90歳を越えてもなお理想のヴァイオリンを求めて挑戦し続ける情熱をもった人が、そのような心の狭い人物であるとはとても思えないからです。秘密にするよりもむしろ、できるだけ多くの人にこの技術を真剣に伝えて、藁をもつかむ思いで、真の後継者と言える人の出現を願ったのではないでしょうか。結果、彼の影響を受けた多くの製作者が優れたヴァイオリンを世に残しています。それでも、その後100年足らずの間に、素晴らしい技術が失われたのには、様々な理由があったと思われますが、技術の伝達はいかに難しいか、考えさせられます。

シャコンヌの製作理論とニスが、より多くの理解者、協力者を得て、豊かに響く楽器が広まり、美しい音楽が溢れる世の中になることを願って、日々努力したいと思います。


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