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シャコンヌホーム 「ピアニッシモ」-シャコンヌのこえ-
  弓の持ち方について

 

「弓は手首の力を抜いて柔らかく持ちましょう。」ということばは、習い始めのころに何度も聞かされて、多くの人の潜在意識に刷り込まれているのではないでしょうか。

普段お客様に楽器を弾いていただくときに、こちらが自信を持ってお勧めしている楽器や弓が、あまりいい音で鳴っていないな、と思うことがよくあります。そんなときに、「試しに鉄棒を握るときのように弓をぎゅっと握って弾いてみてください。」ということがあります。初めは「えっ。」という顔をされて、半信半疑なのですが、実際にやってみると、大抵のお客様が、音が良くなるのに気づかれます。全弓にわたって発音が良くなり、耳障りな音が消え、癖のない、まろやかで純粋な音になります。(ただし、少しでも弦に押し付けてはいけません。)

これはどういうことでしょうか。オールド・イタリーの名器を弾くと、特に、弦を押さえる左手の指がとても疲れます。これは強力に振動する弦を左手が押さえつけなければならないからです。良く鳴る楽器ほど、この振動が強力なため、弓のほうも右手が弱いとはじかれてしまいます。だから、鳴る楽器を弾くためには、対抗できるだけの充分な強さと質量が、弓を含めた右手の側に要るということです。良く鳴る楽器を弾きこなすためには、それに応じた弾き方、持ち方が必要になります。

しかし、「しっかり持つこと」以前に、「力を抜いて柔らかく…」という意識が優先してしまうと、弓だけで振動を受けることになり、毛で擦るというだけの貧弱な音しか出ません。(弓自体が弱いのは論外です。シャコンヌで扱っている弓は、正しい持ち方に対応できる、腰の強いものです。)

「鉄棒握り」をすると、弓と腕全体が一体化して、充分な質量で弦の振動を受けるため、楽器本来の豊かな響きを引き出すことが出来ます。実際の演奏には不向きですが、弓をしっかり持つことと、手首をくねくねさせず固定することの大切さに気付くことができます。(一流の演奏家のビデオなどを見ると、まるでギブスでも付けているかのように、手首は固定されています。)

是非一度、お手持ちの弓で「鉄棒握り」を試してみてください。新鮮な発見があると同時に、弓の持ち方を研究する上で良いヒントになると思います。更なる上達のため、また、より良い楽器、弓を選択する際のご参考になれば幸いです。


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