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  楽器本来の役割

 

弦楽器は音を奏でるための道具です。人の感情や、情景などを音楽にのせて表現するための、偉大な道具です。美術工芸品や骨董品としての価値は、もちろん大切ですが、本来の道具としての役割を失っている「鳴らない楽器」が、世の中に多く出回っていることに危機感を感じます。

鳴らない楽器で演奏すると、音量の強弱に差がなく、音楽がお経の様になります。感情表現ができなくなるので、ストレスがたまり、創作意欲を削がれます。技術面では、無理やりに音を出そうとするので、力が入って下手になります。

鳴らない楽器が、聴く人に与える弊害も大きいものです。無理やりに、力の入った弾き方でギコギコと練習をされたら、側で聴いている人には苦痛でしかありません。また、そんな楽器の演奏を聴いた人は、音に魅了されることも、感動することもなくなり、演奏を聴きに行こうという意欲を失ってしまいます。その結果、これから楽器を新しく始めようとする人も減ります。

こうして、演奏をする人も聴く人も減少し、音楽業界は衰退の一途をたどるのです。

構造上に問題がある楽器は論外ですが、見た目だけ美しくても、まったく鳴らない楽器や、音にこだわりを感じさせない楽器は、「悪」そのものです。また、せっかく楽器本体は素晴らしくても、調整技術の悪さによって「鳴らない楽器」にされているものを見ると、大変残念に思います。

シャコンヌでは多くの楽器に触れ、皆様の意見を聞き、「鳴らない楽器の弊害」を強く感じています。今後も、調整技術や、楽器の構造についての研究を積み、「音」にこだわり続ける事こそが、我々の使命だと感じています。

そして、音楽を愛する者として、楽器の持つ力に魅了された者として、より音楽業界が盛んになることを願います。(M.M.)


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